幼児教育の編集者ノート8 気づく時間
幼児教育の編集者ノート #8
気づく時間

オーストラリアの附属園のSNSで、こんな言葉を見かけました。
The best way to capture moments is to pay attention.
This is how we cultivate mindfulness.
「瞬間を捉える最良の方法は、注意を向けること。それがマインドフルネスを育てる。」
子どもたちが馬と触れ合う様子を紹介する投稿でした。
最初は少し遠くから見ていた子どもが、少しずつ近づいていく。
そっと触れてみる。
ブラシをかけてみる。
馬の温かさや大きさを感じる。
そこには、「今日は馬について学びましょう」という授業はありません。
けれど、子どもたちはたくさんのことを学んでいます。
少し怖い気持ち。
やってみたい気持ち。
相手を思いやること。
命の温かさ。
保育は、ときどき「何を教えたのか」が問われます。
何を作ったのか。
何ができるようになったのか。
どんな知識を身につけたのか。
もちろん、それらも大切です。
しかし、子どもたちの育ちは、必ずしも目に見える成果だけではありません。
道端の虫に立ち止まること。
風の音に耳を澄ますこと。
花が咲いたことに気づくこと。
友達の表情の変化に気づくこと。
そうした小さな出来事に目を向ける時間も、子どもたちにとって大切な学びなのだと思います。
AIがすぐに答えを教えてくれる時代になりました。
検索すれば、たいていのことはすぐにわかります。
けれど保育は、答えを急がない仕事です。
子どもが何を見つめているのか。
何に驚いているのか。
なぜ立ち止まったのか。
その小さな変化に気づくためには、大人にも「気づく時間」が必要なのかもしれません。
子どもの育ちを支えるということは、急いで答えを与えることではなく、一緒に立ち止まり、「今ここ」で起きていることに目を向けること。
そんなことを、オーストラリアの子どもたちの姿から改めて教えられた気がします。
名古屋文化学園 企画広報室 松野
















