「知らない」は、時に「怖い」になる。“ALL IN FOR RECONCILIATION”
幼児教育の編集者ノート #3
「知らない」は、時に「怖い」になる。
オーストラリアの実習園「Aussie Kids」を運営するブライトホライズングループが、National Reconciliation Week の投稿を紹介していました。

今年のテーマは、
“ALL IN FOR RECONCILIATION”
「和解」や「共に生きること」を、誰か任せではなく、一人ひとりが考えていこうというメッセージです。
オーストラリアでは、保育現場の中でも、先住民文化への敬意を大切にしています。
土地への感謝を伝える言葉。
アボリジナルアート。
昔から語り継がれてきた物語。
こどもたちは、それらを“特別な学習”としてではなく、日常の中で自然に触れています。
その背景には、この国が過去の深い差別や歴史と向き合ってきた経験があります。
一方で、現在のオーストラリア社会では(現在の住人のルーツがかつては移民だったにもかかわらず)移民をめぐる葛藤や分断も存在しています。
多文化共生は、きれいごとだけでは進まない。
だからこそ、保育や教育の役割が大きいのだと思います。
その時に大切なのは、“知識としての多文化理解”だけではなく、
「違いを怖がらない感覚」
「まず相手を知ろうとする姿勢」
なのかもしれません。
「怖い」は、時に「知らない」から生まれる。
だから国際こどもコースの「異文化コミュニケーション」の授業では、毎回、海外ルーツの講師の方々をお招きしています。
ブラジル、ペルー、中国、韓国、ベトナム、南アフリカなど、様々なルーツの方がきてくださいます。
講師の方々には、挨拶、こどもたちの遊びや文化、保育、文字、料理、音楽について、体験、実演を交えながら自由にお話いただいています。
“違いを理解する”というより、
“親しみを持つ”。
その小さな積み重ねが、
「知らないから怖い」
を、
「もっと知ってみたい」
へ変えていくのかもしれません。
これからの日本社会でも、多様な背景を持つこどもたちと出会う機会は、きっと増えていきます。
だからこそ保育には、
「違いをなくす」のではなく、
「違いがあっても一緒にいられる」
そんな感覚を育てる役割があるのではないか。
オーストラリアの保育現場を見ながら、そんなことを考えました。

幼児教育の編集者ノート
保育・教育の現場から、人間の育ちを考える記録。
忙しい毎日の中で、少し立ち止まって未来を考える時間になればうれしいです。
(企画広報室 松野)
















