卒業生が後輩に語った「オーストラリアで働いて暮らす」リアル【国際こどもコース・多文化共生Ⅱ】
9月30日(水)、授業「多文化共生Ⅱ」(小野先生)に、卒業生の名切(なきり)さんをお迎えしました。
前回の記事でご紹介した、あの卒業生です。
→ 卒業から8年。オーストラリアで、もう一度「保育」の仕事へ
今回は、国際こどもコースの学生に向けて、オーストラリアでの生活や仕事について話してくれました。
名切さんのパートナーで、ドイツ出身のアレックスさんも来日し、授業に参加してくれました。
講話のタイトルは「The Things That Australia Taught Me(オーストラリアが教えてくれたこと)」です。

名切さんのプロフィール
- 名古屋文化学園保育専門学校 平成29年度卒業
- 卒業後、愛知県内の幼稚園で6年間勤務しながら、移住の準備をした
- ワーキングホリデービザでオーストラリアへ。ビザを延長し、現在3年目
- 永住権の取得方法を模索中
- 今後は、日本で取得した幼稚園教諭免許・保育士資格をオーストラリアで登録し、有資格者として働くことを目指している
なぜオーストラリアだったのか
きっかけのひとつは、占い師に言われた「海外に行くと、より羽ばたける」という手相の話だそうです。
でも、いちばん大きかったのは、在学中に参加したオーストラリア保育実習での経験でした。
「また、ここに来たい」。
その思いが、卒業後の6年間の準備につながりました。

仕事は、どう見つけた?
名切さんは、Canvaなどで自分の履歴書を作りました。それを100枚印刷して、日本食レストランやカフェのオーナーに、直接配って回ったそうです。
仕事を探す手段は、次の3つでした。
- ワーキングホステル(オーナーが仕事を紹介してくれる宿泊施設)
- wikifarms(約1,500円の有料アプリ)
ワーキングホステルは、2段ベッドが自分の部屋のようなつくりで、キッチンやお風呂は共用です。
ただし、行ってすぐ働けるとは限りません。決まるまで2週間かかったり、週2日しか働けなかったりします。「経験必須」「車が必要」といった条件がつくこともあるそうです。
住まいは、どう見つけた?
シェアハウスで暮らしました。探すときに使ったのは、次のサービスです。
- Facebook:オーストラリアで最もポピュラーなSNS。マーケットプレイスから家を探せる
- Flatmates:家探し専用のサイト。無料でも使えるが、オーナーからの返事に3日かかる。課金すると1日で届くため、名切さんは課金して利用した
- パース通信:オーストラリアで唯一の日本人向け掲示板
- gumtree:Facebookより安全に使えるマーケットプレイス型のサイト
決め方は、インスペクション(内見)をして、オーナーと顔合わせをする流れです。

渡航のサポート
留学やワーキングホリデーを支援する「YouTooProject」を利用したそうです。
- 手数料が無料
- 現地サポートがある
- いろいろな国の人と交流できるイベントがある
ぶつかった壁
- 水が合わず肌荒れに。現地の病院で薬をもらっても治らず、日本の薬で治った
- テントで寝るとき、扉を閉め忘れて小さな虫が大量に入り、足がかぶれて強いかゆみが残った
- 70万円で買った車が、1か月で壊れた
そして、いちばん印象的だったのが「日本の常識が通用しない」という話です。
日本では、謙虚でいることは美徳です。
でもオーストラリアでは、謙遜ばかりしていると「自信がない人」。遠慮ばかりしていると「意欲のない人」と受け取られてしまいます。
そこで名切さんは、履歴書の書き方を変えました。
料理をしたことがあれば「キッチン経験者」。コーヒーを飲んだことがあれば「バリスタ経験者」。
自分を小さく見せない。それが、仕事をつかむ工夫だったそうです。

日本を離れて、気づいたこと
日本にいたころは、他人の目や反応など、余計なことばかり考えてしまうことがあったそうです。
オーストラリアでは、目の前のことと「生きること」に必死で、考えすぎる暇がありませんでした。
そして、日本を離れたことで、日本の良さにも気づけたといいます。
恋愛についても、オーストラリアでは適度なスキンシップを大切にするなど、考え方の違いがあります。大切なのは、お互いの文化の違いを理解することだと話してくれました。
英語で答えるコーナーも
アレックスさんは、ドイツ出身で、オーストラリアで名切さんと出会ったそうです。
この日は、学生からの質問に、アレックスさんが英語で答えるコーナーもありました。英語でのやりとりを間近で聞ける時間になりました。
授業のあとは、二人で本校の附属幼稚園も見学しました。
こどもたちに囲まれて、アレックスさんも名切さんも、すっかり人気者でした。
アレックスさんは、ドイツで障害のあるこどもに関わる仕事をしていたそうです。国は違っても、こどもに関わる仕事でつながっている。そんな話も出ました。
次の挑戦は、保育の仕事
前回の記事でお伝えしたとおり、名切さんは今、オーストラリアでもう一度保育の仕事をすることを目指しています。
相談を担当しているのは、小野先生です。オーストラリア・ゴールドコーストのボンド大学、グリフィス大学大学院で学び、1995年から本校のオーストラリア保育実習ツアーの引率を重ねてきました。
オーストラリアの幼児教育・保育資格を扱うACECQAの制度も含め、必要な手続きや資格の確認を進めています。
この挑戦については、これからもお伝えしていきます。
国際こどもコースの学び
国際こどもコースでは、こんな学びがあります。
- オーストラリア留学スカラシップを優先的に受けられる
- 授業内で、オーストラリア保育実習の準備と振り返りを行う
- 幼保英検の対策
- ネイティブ教員による少人数制の会話授業
- 海外ルーツの人との異文化コミュニケーションを毎回実施
在学中の実習で「行きたい」と思った気持ちが、卒業後の挑戦につながる。名切さんのお話は、その一例です。
よくある質問
Q. ワーキングホリデーは何歳まで使えますか?
A. 名切さんの話では、18歳から30歳までです。
Q. 日本で取得した保育士資格や幼稚園教諭免許は、オーストラリアで使えますか?
A. 名切さんは、日本の免許・資格をオーストラリアで登録し、有資格者として働くことを目指しています。手続きは現在、確認を進めているところです。
Q. 海外で働くとき、日本との違いで戸惑うことは?
A. 名切さんは、「謙遜や遠慮が、自信のなさや意欲のなさと受け取られること」を挙げています。
Q. 授業では、英語を使う機会はありましたか?
A. はい。名切さんのパートナーのアレックスさん(ドイツ出身)が、学生の質問に英語で答えるコーナーがありました。
先輩の経験が、今度は後輩たちへ。名切さん、ありがとうございました。


















