先生になるぞ!

令和2年度 名古屋文化学園保育専門学校卒業式 校長式辞

令和2年度
名古屋文化学園保育専門学校卒業式 校長式辞
(令和3年3月19日)

 

 

 

 最初に、本日、卒業式を迎えた卒業生の皆さん、お一人一人に「ご卒業おめでとう」と、申し上げたいと思います。

 先ほど、名前を呼ばれて立ち上がる、お一人お一人の皆さんの表情に「達成の喜び」を感じ取ることができました。2年あるいは3年の本校課程を修了され、卒業証書、幼稚園教諭免許、保育士資格、専門士称号と、数多くの成果を携えて、本日、本校を卒業されていく皆さん方、お一人お一人に、改めて本校卒業をお慶び申し上げます。本当におめでとうございます。

 

 今日、私は皆さんに「群盲、象を語る」というお話をしたいと思います。これはインドの、諺というか昔話が源流の話です。群盲、何人かの目の不自由な方たちが、象、動物の象ですね、その象のことに予備知識が全くなく、手で触って、象とはどんな動物か調べようとする話です。

象の胴に触った人は「象とは壁のようなものである」と言います。象の足に触った人は「象とは丸太のような動物だ」と言います。象の耳に触った人は「象とはヒラヒラとして紙のような動物だ」と言います。象の尻尾に触った人は「象とはヘビと同じだ」と言います。そして象の鼻に触った人は「とても太いゴムホースのようだ」と言います。
壁だ、丸太だ、紙だ、ヘビだ、ゴムホースだ、みんな、自分だけが正しいと思い自分の主張だけをぶつけます。彼らがいくら話し合っても結論は出ません。結局、象とはどんな動物なのか誰にもわからないのです。

その時、一人の賢者が言います。「象とはそれらすべての要素を持った大きな動物なのでないだろうか」と。「壁のような胴を持ち、丸太のような足を持ち、紙のような耳を持ち、ヘビのような尻尾を持ち、ゴムホースのような鼻を持つ動物なのではないだろうか」と。すると、皆、「そうか、我々は象という大きな動物の一部分しか触っていなかったので全体がわからなかったんだ」と納得しました、というお話です。

 

さて、お話は皆さんに戻ります。ここにいる皆さんは、この4月から、あと10日ほどで社会にでます。幼稚園・保育園・こども園という社会に出ていきます。皆さんは既にいろいろな実習で園の現場に行って、それなりに園の雰囲気はつかんでいることでしょうが、残念ながら、各々の園の全体象をつかんでいるとは言えません。それぞれの園のことを100%理解している人はいません。

そんな皆さんが、園に行った第一印象でその園の総てを評価することはできないのは当然のことです。皆さんは、園で、もしかしたら、先輩の先生から厳しい言葉を受けるかも知れません、もしかしたら、園長先生から叱られるかも知れません、もしかしたら、PTAの保護者から小言を言われるかも知れません。でもその一言だけで「この園は悪い園だ」「この園は私に向かない」「この園はブラックだ」と決めつけてしまうなら、それは目の不自由な人たちが、象を、壁だ、丸太だ、紙だ、ヘビだ、ゴムホースだ、言い争うのと同じことではないでしようか。僅かな時間の研修だけでその園の100%を理解したつもりになっていないでしようか。

ファーストインプレッションは大切です。でもファーストインプレッションだけで全体を判断してしまうのは危険を通り越して無謀です。どの園にもいい面と悪い面がある。そんなことは誰でもわかることなのに、人間、いざ、ファーストインプレッションに直面してしまうとその印象が総てであると思い込んでしまう。いや、思い込もうと努力してしまう。それは間違いです。

もし、皆さんが園に悪いファーストインプレッションを持ったとしたら、それが真実かどうか、それが全体を示しているのか、そのことを真剣に時間をかけて考えてもらいたいと思います。無論、反対のこともあるでしょう。最初はよい印象を持っていたが、徐々にいろいろなことがわかるにつれて、悪い面が見えてきてしまうこともあるでしょう。私たちはいつも物事の全体象を見ていなければならない。重要なのは、全体としての評価なのであって、一部分だけの評価、ちょっと見ただけの印象、少しだけの経験を、全体に持ち込んではならないのであって、常に、いくつもの情報をつなぎ合わせて全体象を知る努力を続けなければならないのです。

「結論を焦ってはいけない。一晩寝ればいい智恵がでてくる」とは、ロシアの詩人プーシキンの言葉です。皆さんにはこの言葉どおり、何かトラブルに直面した時でも、その場で総てを見越したような気持ちになって最終判断をせずに、一旦、落ち着いて全体を見る努力をしてもらいたいと思います。そのことが、これから長い人生を歩んでいく皆さんが誤りなく道を進んでいく鍵になるのではないかと思っています。

 

 さて、私がお話しする時間も限られてきました。今年はコロナに翻弄された1年でした。実習も行事もコロナによって大きな影響を受けてしまいました。でもその中で、懸命に学業に取り組んで来られた皆さんに、心からの敬意を払うものであります。

そして、最後に一言、本校第2部、夜間コースを卒業の皆さんにお話しします。夜間コースをご卒業の皆さんにとって、仕事と学業の両立は皆大抵のことではなかったことでしょう。市役所や東大手からの道は暗くて寂しかったかも知れません。身を切るような寒さの中、その辛さに耐えながら登校した日もあるでしょう。よくその試練に耐えていただいた。そんなご苦労も皆さんの宝物です。

 

 4月の新しい門出から大いなる豊かな人生を歩んでいただくことを節に希望します。ここにいる総ての方の明日からの素晴らしい人生の門出をお祝いして、皆さんが社会の中の良識ある一員として成長していかれることを節に希望して、私の、本日の祝辞といたします。

 

 

 

 

 

 

 

⭐卒業式の様子⭐

 
 
 
 
 
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コロナの影響で謝恩会が中止に、、、。思い出深い教室で語らう姿が印象的でした。

文化での学びを自信に変えて、素敵な先生になってくださいね!

あなたたちを待っているこどもたちがいますよ♪

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